第99章 藤原和樹の殺意

藤原和樹は様子を見るなり、財布を取り出して札束をそのままカウンターに置いた。

ざっと見ても十数万円はある。受付係の半月分の給料に相当する額だ。

その金額を目にした瞬間、受付係の目が露骨に輝いた。周囲をさっと見回し、こちらに注意が向いていないのを確かめると、慌てて札束を掴み、パソコンデスクの下へ滑り込ませる。

そして満面の笑みで有村菜津美に言った。

「さきほどのお客様は工藤様です。ロイヤルホテルの常連でして。私、今月入ったばかりなんですけど……もう何度もお見かけしてます」

有村菜津美の胸に、疑問が渦巻いた。

ロイヤルホテルは高級ホテルだ。少し飲み食いするだけでも数十万、下手をすれば...

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